キスしたらもうセックス出来るかもしれないとか思っちゃうような糞短絡思考の童貞はイケメン以外死んでいい

アラサー童貞と付き合っていたときの話。
その男は顔は整っていたしスタイルも悪くなかったが過去に彼女がいたことはなかった。もしかして整形済みの元ブサメンか?とも疑ったが、まあ結婚するわけでもなし、私もいじってるし(いじってる件に関しては別記事に書く。)たいして長続きしそうな気もしないし、遊ぶくらいならどうでもいいかと付き合いを始めた。
その男は何をするにも「あ〜付き合い指南サイトとかめっちゃ見てるんだろうな〜」っていうような行動ばかりだった。とりあえずこちらを思いやってくれているのは分かるしありがたいが、そこにテメーの意思はあんのか?と問いただしたくなるような、てんで中身の伴わない行動だった。
普通彼女へのプレゼントに●ッシュとか選ぶか?そういうのって女同士の誕プレに選ぶようなものじゃないか?私の中ではそういう認識がある。まぁよくわからないアクセサリーとかよりはマシだしラッ●ュ好きだからいいけど。

書いてて自分のクソさに胸糞悪くなってきた。しかし書く。
相手に対してやり直したいとは一切思わないが、相手の行動を思い返せばセックスがしたいがための気遣いばかりだったので、妙な腹立たしさが残っている。
こっちこそヤリマンのくせにふてぶてしさ甚だしいな。ハハッ

あるデートで夜景スポットみたいなところに行ったとき、なんとなくいい雰囲気になってこちらからキスをしたことがある。すると相手は好機とばかりに舌をベロベロ突っ込んできたがこれがまたヘッッタクソ。
そこ舌じゃねーよ顎なんですけど?そもそもそんなディープなキスがしたくて顔を近づけたわけじゃないんですけど……と若干引いた。まあイケメンだったから良しとする。
このキスのヘタクソさを体感して、「付き合うのもキスするのも本当に初めてなんだろうな……」としみじみ思った。

その夜景スポットから出て晩ご飯を食べに行ったとき、相手はずっと何かを考え込んでいた。私は疲れていたので正直もう帰りたかった。一緒にいてもあまり楽しくないのだ。
「……あのさ、」
相手が意を決したように切り出したので何?と優しく聞いてやると、
「さっき夜景見に行ったじゃん?……あの続き、しない?」
と言うのだ。あの続きってどの続きだ?と考え込んで浮かんだのは先ほどのクソアンドクソヘタクソなキスのことだった。私の中ではキスの続きはセックスではない。あくまでキスはキスだしセックスはセックスだ。しかしながら相手の短絡思考の中ではキスしてさらにディープキスが出来たらセックスも出来るらしいのだ。恐ろしい限りである。
その時点で時間はもう遅く、そこからホテルを探してセックスをすることを考えると帰りは日付を跨いでしまう。翌日も普通に仕事に行く身としてはイヤだったのだが(相手もそうだが)、ここで
「はぁ〜?何言ってんの〜?もしかしてキス出来たからセックスもいける!とか思ってんのバッカじゃねーの〜?恋愛指南サイト見てシコシコ勉強してんならもっとちゃんとそのスカスカな脳みそ使って頑張れよカス!!んな誘いされたら女は『体目当てなんだ』って思うからね?アホなの?バカなの?いっぺん死ね!」
とでも罵倒したらこの童貞は二回目のデートで初カノにめちゃくちゃ言われて捨てられたという一生のキズを負うだろうし、私もセックスするのは久しぶりだったので性欲もあり、ホテル代も相手もちだしまぁいっか〜とどうでもよくなり、「うん♡」なんて可愛く返事をしてあげたのだ。

ホテルにチェックインし互いにシャワーをすませ、あとはもうベッドでくんずほぐれつグチャグチャヌルヌルするだけといった場面で、おそらく相手は未だかつてないほど緊張していたのだと思う。
彼はトイレから戻ったとき、バスローブの裾がボクサーパンツの穿き口にひっかかっていることに気付いていなかった。ていうかシャワー浴びたあとにトイレ行くんじゃねーよ洗った意味ねえだろ。いろいろな感想を抱いたけれどグッと我慢して、雰囲気を壊さないようにベッドに倒れこんだ。

よっぽど気に入ったのか単にペッティングの仕方が分からないからそうしているだけなのか、相手はもうこれでもかというほど、ぶっちゃけヒゲの剃りあとが当たって痛いから不快だヤメロと思うほど、ディープなキスばかりしてくる。顔がめり込むんじゃないかというほど圧迫されて、けっこう本気で嫌だった。

……結果として、相手は私の中ではイけなかった。
これは決して私がガバガバというわけではない。相手が普段オナニーをするときの握り込みが強すぎるせいだ。このことでお互いに微妙な空気になりつつチェックアウトの時間になり、微妙な空気のまま帰路についた。
ちなみに相手は自分が脱いで置いておいたパンツの場所を忘れ、裸のまま「あれ?あれ?」と情けなくパンツを探してオロオロしていたので、優しく「イスの上にあるよ」と教えてあげた。なんか、とことんやる事がダサいのだ。
この残念セックスの次のセックスでは無事に中でイくことが出来たが、それで絆が深まる(笑)なんてこともなく、付き合っていくごとにだんだん気持ちが冷めていき、別れることになった。
顔が好みであろうと、やはり一緒に居て楽しくなければ意味がないのだなぁと思った私はすぐに次の相手を探したわけだけれど、アラサー童貞の彼はどんな気持ちだったのだろうか。
念願の初カノジョ、初デート、初キス、初セックス、初お泊まりetc……あらゆる初めてを私に捧げた彼は後悔していないだろうか?
なんにせよ、もう会うことはないだろうから答えは分からない。ただセックスに対してがっついていたことだけは確かだ。その結果がどんなにズタボロなことになろうとも。

童貞くん、キスの続きはセックスではない。その考えを変えないと彼女いない歴を更新するハメになるぞ。